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飲食店の原価計算のやり方|メニュー原価率とFLコストで「利益が残る店」にする【宮崎】
ツール

「そこそこお客さんは入っている。売上も悪くない。なのに、月末に手元にお金が残らない」——宮崎で飲食店を営む方から、この相談をよくいただきます。原因の多くは、原価が「感覚」で管理されていることにあります。
飲食店の利益は、「1品ごとの原価率」と「店全体のコスト構造」の2つがかみ合って初めて残ります。人気メニューの原価率が高すぎたり、売上に対して食材費と人件費の合計(これをFLコストと呼びます)が膨らんでいたり——どこかがずれると、忙しいのに利益が残らない「繁盛貧乏」になります。
この記事では、飲食店の原価計算のやり方を、①メニュー1品の原価率と、②店全体のFL/FLRコストという2階建てで解説します。あわせて、レシピを入れるだけで原価率・推奨売価を出し、店全体の健全度を信号で診断する無料のツールもご用意しました。
※本記事で触れる原価率やFL比率の「目安」は、業態・立地により幅があります。自店の数字で判断してください。重要な価格決定は自店の実績値でご確認ください。
なぜ飲食店は「売上があるのに利益が残らない」のか
飲食店の原価計算が難しいのは、見るべき数字が2つの階層に分かれているからです。片方だけ見ても、利益は守れません。

① メニュー1品の原価率
1つの料理に、材料がいくらかかっているか。売価に対する材料費の割合が「原価率」です。人気メニューほど原価率が高いと、売れば売るほど利益が薄くなる、ということが起こります。
② 店全体のFLコスト
店を回すお金の大半は、食材費(Food)と人件費(Labor)です。この2つの合計が売上に占める割合を「FL比率」と呼びます。1品ずつの原価率が良くても、人件費まで含めた全体で見ると赤字、というケースは珍しくありません。
「売上はあるのに残らない」の正体は、たいていこのどちらか、または両方のずれです。だからこそ、1品と全体の両方を数字で見る必要があります。
飲食店の原価は「1品の原価率」と「店全体のFL」の2階建て
見るべき数字を整理します。
1階:メニュー1品の原価率
原価率 = 1品の材料費 ÷ 売価(税抜)
一般的には原価率30%前後を目安にする店が多いですが、これは業態によって幅があります(居酒屋のドリンクは低く、鮮魚料理は高い、など)。大事なのは「自店の狙う原価率」を決め、各メニューがそこに収まっているかを見ることです。
2階:店全体のFL/FLRコスト
FL比率 = (食材費F + 人件費L)÷ 売上
FLR比率 = (食材費F + 人件費L + 家賃R)÷ 売上
FL比率は60%前後、家賃まで含めたFLR比率は70%前後に収まると健全とされることが多い、という目安があります。ここでも数字はあくまで目安で、自店がどの水準にあるかを把握し、悪化していないかを毎月見ることが重要です。
具体例で見てみましょう。 月の売上が300万円、食材費(F)が90万円、人件費(L)が90万円、家賃(R)が30万円のお店を考えます。FL比率は(90+90)÷300=60%、FLR比率は(90+90+30)÷300=70%。この時点では目安どおりです。ところが食材が値上がりして食材費が105万円に増えると、FL比率は(105+90)÷300=65%に上昇。売上が同じなら、この5ポイントの差がそのまま利益を圧迫します。1品ごとの原価率だけを見ていると、この店全体の変化には気づけません。だからFLを毎月見る意味があります。
この2階建てを手集計するのは手間ですが、ツールなら入力するだけで両方を出せます。
飲食店の原価計算の手順|無料ツールで実際にやってみる
実際の手順を、ツールの構成に沿って見ていきます。

ステップ1:メニュー1品のレシピを入れる
メニュー名と、使う材料の分量・単価を入力します。すると1品の材料費・原価率・粗利が自動計算され、狙った原価率にするための推奨売価も出ます。「この値段で出して大丈夫か」がその場で分かります。
ステップ2:店全体のFLコストを診断する
月の売上高、食材費(F)、人件費(L)、家賃(R)を入力します。すると店全体のFL比率・FLR比率が計算され、健全度が信号(青・黄・赤)で診断されます。感覚ではなく、色で「今の状態」が分かります。
ステップ3:数字を見て打ち手を決める
原価率が高いメニューは、レシピ見直し・売価改定・ポーション調整で改善。FL比率が高ければ、仕入れ・仕込み・シフトのどこに膨らみがあるかを探ります。
メニュー1品の原価率・推奨売価と、店全体のFL/FLRコスト診断の両方に対応。結果はPDFで保存・印刷でき、スタッフとの共有や価格改定の根拠に使えます。スマホでも動き、入力した数字は端末内で計算され、外部には送信されません。
ここでつまずく|飲食店の原価計算でよくある3つの誤り

① 1品の原価率だけ見て、人件費を忘れる
メニューの原価率が良くても、人件費まで含めたFLで見ると赤字、ということがあります。1品(原価率)と全体(FL)は必ずセットで見ましょう。
② ロス・まかない・ドリンクを原価に入れ忘れる
廃棄した食材、まかない、提供時のロスも、実際には食材費です。レシピ上の原価率だけを信じると、実際のFはもっと高いことが多いもの。実際の仕入れ総額でFL比率を確認するのが確実です。
③ 原価が上がっても売価を変えない
食材が値上がりしても売価を据え置くと、原価率は静かに悪化します。仕入れの変化を定期的に原価率へ反映し、必要なら値付けを見直す前提を持ちましょう。
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原価が見えたら、次は「値付け」と「黒字ライン」
原価率とFLが見えると、経営の打ち手が具体的になります。
- 値上げすべきか迷うときは、値上げシミュレーターで「何%お客が減っても値上げした方が得か」を試算できます。人気メニューの価格改定判断に役立ちます。
- 黒字に必要な売上(損益分岐点)を知りたいときは、損益分岐点 計算ツールで、固定費・変動費から「最低いくら売ればいいか」を出せます。
メニュー原価率で「1品の採算」を、FL診断で「店全体の健全度」を、損益分岐点で「黒字ライン」を——数字で押さえると、勘に頼らない経営ができます。ほかの業種向けも含めた一覧は原価計算ツール集にまとめています。
全メニューの原価率を「自動」で管理したい飲食店へ
ツールは1品ずつ手で計算するものですが、実務では「仕入れ値が動くたびに、全メニューの原価率を一括で見直したい」という声をよくいただきます。ここから先は、御店専用のしくみづくりの領域です。
私たち株式会社multi-solutionは、宮崎の事業者向けに、業務に合わせたAI・デジタルツールの導入を伴走支援しています。飲食店であれば、たとえば次のようなことが可能です。
- 仕入れ単価の変動を反映した全メニューの原価率の自動更新
- 月次のFL/FLRコストの自動集計とアラート
- レシピ台帳・発注・売上データとの連携
こうした導入には、補助金を活用できる場合があります(対象・条件は制度により異なります。申請手続きの専門的な支援は社労士・認定支援機関等の領域で、私たちは「何を・どう導入し、社内で使えるようにするか」の側を支援します)。
「自店の原価管理を、手計算からもう一歩進めたい」という宮崎の飲食店の方は、まず無料相談で課題をお聞かせください。お問い合わせはこちら。
まとめ|飲食店の利益は「1品の原価率」と「店全体のFL」で守る
この記事のポイントを整理します。
- 売上があるのに残らない理由は、原価の「2階層」のずれ:1品の原価率と、店全体のFLコスト
- 見るべき数字:原価率=材料費÷売価/FL比率=(食材費+人件費)÷売上/FLR比率=+家賃。数字は目安で、自店の水準把握と推移が大事
- 手順は3ステップ:メニューのレシピ→FLコスト診断(信号)→打ち手を決める
- よくある誤り3つ:1品だけ見て人件費を忘れる/ロス・まかないを入れ忘れる/原価が上がっても売価を変えない
- 原価が見えたら値付けと黒字ラインへ:値上げシミュレーター・損益分岐点と合わせて判断
まずは看板メニュー1品で構いません。飲食店 原価計算ツールにレシピを入れ、店全体のFLも一度診断してみてください。「なぜ残らないのか」が数字で見えると、次の一手が決まります。
執筆者
株式会社multi-solution | 宮崎の中小企業のデジタル化・AI活用を支援。原価計算をはじめとした無料の業務ツールの提供から、業務に合わせたツール導入、社内で使い続けられるようにするOJTまで、伴走型で支援しています。
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