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損益分岐点の計算方法|「いくら売れば黒字か」を固定費と原価率から求める【宮崎】

ツール

損益分岐点の計算をテーマにしたブログのアイキャッチ。中小企業経営者と右肩上がりのグラフのイラストとともに、固定費・原価率・黒字ラインの3点を示す。宮崎の中小企業向けに、いくら売れば黒字かの求め方を解説する記事のトップ画像。

「今月、いくら売れば赤字にならないのか」——この問いに、すぐ数字で答えられる経営者は意外と多くありません。売上目標は立てても、その根拠が「去年と同じくらい」だと、本当に黒字になる水準を外していることがあります。

この「赤字と黒字の分かれ目になる売上」が、損益分岐点です。損益分岐点が分かると、目標の立て方が変わります。「なんとなくの目標」ではなく、「最低これだけ売れば黒字」という守りのラインと、「これだけ売れば目標利益が残る」という攻めのラインを、数字で持てるようになります。

この記事では、損益分岐点の計算方法を、固定費と原価率(変動費率)という2つの数字から求める手順で解説します。あわせて、売上スライダーを動かすだけで黒字と赤字の切り替わりが見える無料のツールもご用意しました。宮崎の中小企業の経営判断に、そのままお使いいただけます。

※本記事の計算は考え方を示す目安です。実際の固定費・変動費の区分は事業により異なります。重要な経営判断は自社の実績値・専門家の確認のうえ行ってください。

損益分岐点とは|「固定費」と「変動費」で決まる分かれ目

損益分岐点とは、売上と費用がちょうど同じになり、利益がゼロになる売上高のことです。これより売れば黒字、下回れば赤字になります。

損益分岐点とは固定費と変動費で決まることを示す図解。売上高の線と総費用の線が交差する点が損益分岐点で、それより左が赤字、右が黒字になること、固定費と変動費の違いを宮崎の中小企業向けにまとめたインフォグラフィック。

この分かれ目を理解するには、費用を2種類に分けて考えます。

① 固定費
売上が増えても減っても、ほぼ一定でかかる費用です。家賃、正社員の人件費、リース料、保険料などが代表例です。お店を開けているだけでかかるお金、とイメージすると分かりやすいでしょう。

② 変動費
売上に比例して増える費用です。材料費・仕入原価・外注費などが該当します。飲食店や小売なら「原価」がこれにあたり、売上に対する変動費の割合が「変動費率(原価率)」です。

損益分岐点は、この固定費を、売上から変動費を引いた残り(粗利)でどれだけ回収できるかで決まります。ここを式にしたのが、次の計算方法です。

損益分岐点の計算方法|たった1つの式

損益分岐点売上高は、次の式で求められます。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 − 変動費率)

「1 − 変動費率」は、売上に対して手元に残る粗利の割合(粗利率)です。たとえば変動費率(原価率)が40%なら、粗利率は60%。固定費を、この粗利率で割り戻すと、固定費を回収しきる売上が出ます。

具体例で見てみましょう。 月の固定費が120万円、原価率(変動費率)が40%のお店なら、損益分岐点売上高は120万円 ÷(1 − 0.4)=120万円 ÷ 0.6 =200万円。つまり月200万円売れば、ちょうどトントン。これを超えた分だけが利益になります。

さらに、目標利益を上乗せした売上も同じ考え方で出せます。

目標達成に必要な売上 = (固定費 + 目標利益)÷ (1 − 変動費率)

先の例で「月30万円の利益がほしい」なら、(120万+30万)÷ 0.6 =250万円が目標売上になります。守りの200万円と、攻めの250万円。この2つを持てるのが、損益分岐点の強みです。

同じ式は、「どの数字を動かすと一番効くか」の比較にも使えます。先の例(固定費120万・原価率40%・損益分岐点200万)で、原価率を40%→38%に2ポイント下げると、損益分岐点は120万÷0.62=約194万円に下がります。一方、固定費を120万→114万と5%減らすと、114万÷0.6=190万円。数字で並べると、「原価を少し削る」のと「固定費を削る」のと、どちらが黒字化に効くかが一目で分かります。勘で悩むより、式に入れて比べるのが近道です。

損益分岐点の求め方|無料ツールで実際にやってみる

手計算でも出せますが、「どの数字を動かすと一番効くか」を試すなら、ツールが便利です。下のツールを開きながら読むと、自社の数字でその場に試せます。

損益分岐点の求め方3ステップの図解。01固定費と原価率を入れる、02売上スライダーで黒字か赤字か、03感度分析で打ち手を比較、という手順と、損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)の式・計算例を示す。

ステップ1:固定費と原価率を入れる
月の固定費と、原価率(変動費率)を入力します。すると損益分岐点売上高が自動で計算されます。

ステップ2:売上スライダーを動かす
「今の売上」のスライダーを左右に動かすと、グラフ上でその位置が損益分岐点を横切り、赤字と黒字がその場で切り替わります。「あといくら足りないか」が視覚的に分かります。

ステップ3:感度分析で打ち手を比べる
売価・変動費・固定費のどれを動かすと損益分岐点が一番下がるか(=黒字にしやすいか)を比較できます。目標利益からの逆算もその場でできます。

固定費と原価率を入れるだけで、黒字ラインと目標売上をグラフで表示。結果はPDFで保存・印刷でき、事業計画や金融機関への説明資料にも使えます。スマホでも動き、入力した数字は端末内で計算され、外部には送信されません。

ここでつまずく|損益分岐点でよくある3つの誤り

損益分岐点の計算でよくある3つの誤りの図解。固定費と変動費の分け方が曖昧、原価率を実態より低く見る、一度出して終わりにする、という失敗例を宮崎の中小企業向けにまとめたチェックリスト。

① 固定費と変動費の分け方が曖昧
アルバイト人件費のように、固定費とも変動費とも取れる費用があります。厳密に分けきれなくても、「売上に比例するか否か」でざっくり振り分けるだけでも精度は十分上がります。まずは大きな費用から分けてみましょう。

② 原価率(変動費率)を実態より低く見ている
ロスや値引き、送料などを変動費に含め忘れると、損益分岐点は実際より低く出て、「もう黒字のはず」と誤解します。変動費は多めに見ておくのが安全です。

③ 損益分岐点を一度出して終わりにする
固定費や原価率は、家賃改定や仕入価格の変動で動きます。損益分岐点は「毎月・季節ごとに見直す数字」です。一度きりでなく、定点観測にしましょう。

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黒字ラインが見えたら、次は「利益の増やし方」

損益分岐点が分かると、次の一手が具体的になります。損益分岐点を下げる(=黒字にしやすくする)打ち手は、大きく3つです。

  • 売価を上げる:値上げが利益に効くかは値上げシミュレーターで「何%お客が減っても値上げした方が得か」を試算できます。
  • 変動費(原価)を下げる:原価率そのものを見直すなら、原価計算ツール集の業種別ツールで1品・1ロットの原価から点検できます。
  • 資金を切らさない:黒字でも現金が足りなくなる事態を避けるには、資金繰り予測ツールで数ヶ月先の現金残高を先読みできます。

損益分岐点で「守りと攻めのライン」を、値上げ・原価・資金繰りの各ツールで「打ち手」を——数字で押さえると、勘に頼らない経営ができます。

経営数字の管理を「自動」で回したい経営者へ

ツールは1回ずつ手で計算するものですが、実務では「毎月の実績から、損益分岐点や資金の状態を自動で把握したい」という声をよくいただきます。ここから先は、御社専用のしくみづくりの領域です。

私たち株式会社multi-solutionは、宮崎の事業者向けに、業務に合わせたAI・デジタルツールの導入を伴走支援しています。たとえば次のようなことが可能です。

  • 会計データと連携した損益分岐点・採算の自動可視化
  • 月次の実績を反映した目標売上・資金繰りのダッシュボード化
  • 値上げ・コスト削減シナリオの試算の仕組み化

こうした導入には、補助金を活用できる場合があります(対象・条件は制度により異なります。申請手続きの専門的な支援は社労士・認定支援機関等の領域で、私たちは「何を・どう導入し、社内で使えるようにするか」の側を支援します)。

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まとめ|損益分岐点は「固定費÷(1−原価率)」で必ず出せる

この記事のポイントを整理します。

  • 損益分岐点=利益がゼロになる売上:これを超えれば黒字、下回れば赤字
  • 費用は2種類:固定費(売上に関係なく一定)と変動費(売上に比例=原価)
  • 計算式は1つ:損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)。目標利益込みは(固定費+目標利益)÷(1−変動費率)
  • よくある誤り3つ:固定費と変動費の分け方が曖昧/原価率を低く見る/一度出して終わりにする
  • 黒字ラインが見えたら打ち手へ:値上げ・原価・資金繰りの各ツールと合わせて判断

まずは自社の固定費と原価率を入れてみてください。損益分岐点 計算ツールで、「いくら売れば黒字か」が数字とグラフで見えると、目標の立て方が変わります。

執筆者

株式会社multi-solution | 宮崎の中小企業のデジタル化・AI活用を支援。原価計算をはじめとした無料の業務ツールの提供から、業務に合わせたツール導入、社内で使い続けられるようにするOJTまで、伴走型で支援しています。

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