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AIエージェントの活用事例10選|中小企業の業務でできること【宮崎の実例つき・2026】
AI活用

「AIエージェントが何なのかは、だいたい分かった。で、うちの会社の何に使えるんですか?」
セミナーや無料相談で、いま一番多くいただく質問がこれです。そして、この質問に答えるのが実は難しい。「AIエージェント 活用事例」で検索すると記事はたくさん出てきます。ただ、目にするのは大企業の導入事例が中心で、社員数十名の会社にそのまま当てはめられるものは多くありません。誰がどこまで実際にやったのかも、読んでいてつかみにくいのが正直なところです。
そこでこの記事では、弊社(宮崎市のITコンサルティング会社)と顧問先で、いま実際に動いている業務だけを10個紹介します。構想でも実験でもなく、毎日・毎月動いているものです。削減できた時間や費用も、測っている範囲でそのまま公開します。中小企業のAI業務自動化の事例として、そのまま自社に置き換えて読んでいただける形にしました。

この「AIエージェントの活用事例」10個の出どころ
事例記事は、出典があいまいだと読む価値が落ちます。先に前提を書きます。
- すべて弊社または顧問先で実運用中の業務です。デモや検証で終わったものは入れていません
- 数字は測っている範囲の実測値です。Google アナリティクス(GA4)の計測値、作業時間の実測など、根拠のあるものだけを書いています
- 顧問先の事例は業種と数字だけを匿名で扱っています。社名・地名・取扱ソフト名は伏せています
- 効果はあくまで弊社および顧問先の環境での結果です。同じ数字が出ることを保証するものではありません
使っているのはClaude(クロード)という生成AIを中心とした仕組みで、費用は月2万円以内に収まっています(内訳は後述)。「何百万円のシステムを入れた話」ではない、という点も先にお伝えしておきます。中小企業が現実に手を出せる範囲の事例だけを集めた、とお考えください。
そもそもAIエージェントとは何か、チャットAIと何が違うのかについては「AIエージェントとは?中小企業の経営者向けにわかりやすく解説」で整理しています。用語から確認したい方はそちらを先にお読みください。
10事例の一覧
| # | 業務 | 人がやること | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1 | ブログ記事の企画〜下書き投稿 | テーマの承認と最終確認 | 1本1〜2日 → 約10分 |
| 2 | アクセス解析のレポート作成 | 月1回、結論を読む | 集計作業なしで月次レポート |
| 3 | ホームページの健康診断 | 診断結果から直す順番を決める | 700ページ超を約12分で巡回 |
| 4 | 領収書の記帳 | 写真を撮って「取り込んで」 | 月60〜90分 → 月10〜20分 |
| 5 | 月次の経営数字の集計 | 数字の結論を確認する | 確認まで含めて月30分程度 |
| 6 | 撤退・値上げのシミュレーション | 前提の妥当性を判断する | 数日がかり → 半日程度 |
| 7 | バラバラなExcel・日報の集計 | 名寄せルールの承認 | 不揃いの約20件を集計表に |
| 8 | 社長の頭の中の記録 | 「反映して」と言うだけ | 日報・案件メモが自動で蓄積 |
| 9 | 定型業務そのものの型化 | 最初に1回、手順を教える | 2回目以降は一言で終わる |
| 10 | 現場の書類・図面作業(顧問先) | 作業のやり方を決める | 約1日 → 約10分の例も |
以下、順に中身を見ていきます。
【情報発信・集客】AIエージェントの活用事例3つ
事例1:ブログ記事の企画から下書き投稿まで
弊社のブログは、1年以上更新が止まっていました。理由は単純で、1本書くのに1〜2日かかっていたからです。
いまは、テーマの提案に私が「はい」と答えると、構成づくり・執筆・事実確認・SEOチェック・画像の作成・投稿設定まで、13の工程をAIが順に進め、WordPressの下書きとして上がってきます。私がやるのはテーマの承認と、公開前の最終確認だけです。
- 更新ペース:1年以上ゼロ → 月30本以上
- 1本にかかる社長の時間:1〜2日 → 約10分
- 検索からの流入:月54セッション → 月1,086セッション(約20倍・2025年6月と2026年6月の比較、GA4計測)
ここで大事なのは、公開ボタンだけは人が押す設計にしていることです。AIは下書きまでしか触れません。これはあとで出てくる10事例すべてに共通する考え方です。
仕組みの全体像と費用は「ブログを書く時間がない社長へ|1年止まっていた会社ブログをAIで月30本・検索流入20倍にした仕組みと費用を全公開」で公開しています。
事例2:アクセス解析のレポート作成
書いた記事が効いているかを見る作業も、AIに任せています。GA4とサーチコンソールから決まった数字を取ってきて、「増えた・減った」だけでなく、あと少しで上位に届きそうなのに取りこぼしている検索キーワードの一覧まで作らせます。
数字が苦手でも困りません。読むのは月1回、出てきた結論だけです。この取りこぼしリストが、翌月に書く記事のテーマになります。書く仕組みと振り返る仕組みは両輪だと考えています。
詳しくは「GA4・サーチコンソールのレポート作成をAIで自動化」をご覧ください。
事例3:ホームページの健康診断
サイトの全ページを巡回して、表示速度・リンク切れ・検索エンジン向けの設定漏れなどを一気に洗い出させています。顧問先のサイトでは、700ページを超えるサイト全体をAIが約12分で巡回し、次のような症状が数字で見つかりました。
- 検索結果に出る紹介文の設定率が0.8%しかない
- 古い形式の内部リンクが1,446件残っている
- スマートフォンでの表示に16.9秒かかっている
改善後は、紹介文の設定率98.1%、古い形式のリンク0件、スマホ表示5.7秒まで戻りました(※効果はサイトの状態により異なります)。
なお、弊社自身のサイトも診断したところ、スマホでページを移動するたびに約2.5〜3秒の白い画面が挟まっていたことが分かりました。自分たちでは「演出」のつもりだったものが、お客様には「遅いサイト」に見えていたわけです。検索流入が20倍に伸びていた、まさにその時期の話です。人は来ているのに、受け止める側に穴が開いていました。
診断の中身は「ホームページをAIで健康診断する方法」に書いています。
【経理・数字】AIエージェントの活用事例3つ

事例4:領収書を読み取って会計ソフトに記帳する
弊社の領収書は月20〜30枚ほど。日付・店名・金額を読み取り、勘定科目を決めて会計ソフトに打ち込み、証憑として画像を添付する——この一連の作業に毎月60〜90分かかっていました。
いまは、レシートを写真に撮ってフォルダに入れ、「取り込んで」と一言指示するだけです。AIが読み取り、勘定科目を判定し、確認用の表を出してきます。私はその表に目を通してOKを出すだけ。月10〜20分(約8割減)になりました。
浮いた時間は月1時間ほどで、数字だけ見れば大きくありません。それでも、月末の「気が重い作業」が消えた効果は数字以上でした。すでに使っているAIにやらせているだけなので、経理のための追加契約はしていません。
詳細は「領収書の山をAIに読ませてマネーフォワード クラウドに自動記帳」で公開しています。
事例5:月次の経営数字を集計して「結論」まで出す
会計ソフトから実績と売掛金を取り出し、管理シートの実績欄を更新し、気になる点を経営判断メモとしてまとめる——月初のこの一連の作業もAIに任せています。
AIの処理そのものは10分足らずですが、初回は確認と修正を含めて1時間ほどかかりました。中身を潰した現在は、確認まで含めて月30分程度で「今月の数字の結論」まで出せる運用です。経営ダッシュボードやBIツールは契約していません。
手順は「月次の経営数字をAIで自動集計する仕組み」にまとめました。
事例6:撤退・値上げの判断をシミュレーションする
「この事業、続けるべきか」「値上げして客数が減ったらどうなるか」。この判断を、AIと一緒に数字で詰めました。
やったのは3つです。会計データから費用を「売上に比例して増える費用」「その事業だけの固定費」「会社全体で共通の固定費」に仕分けする(約2時間)。「続ける・撤退する・値上げして続ける」の3つのシナリオを表にする(約1時間)。「売上があと何%落ちたら結論が変わるか」という境界線を計算させる(約30分)。
このとき見えたのが、帳簿上は月5万円の赤字の事業でも、やめると会社全体の利益がかえって悪化するというケースでした。やめても本社の家賃や管理部門の費用は消えないからです。従来なら数日がかりだった分析が、半日程度で形になりました。
考え方は「撤退・値上げの判断をAIでシミュレーションする」で解説しています。
【社内の事務・情報整理】AIエージェントの活用事例4つ
事例7:フォーマットがバラバラなExcel・日報を集計する
担当者ごとに提出されたExcel・日報が約20件。フォーマットは不揃い、同じ人の名前が3通りで書かれている、日付の形式も揃っていない。この状態から、案件別×担当者別のクロス集計表を作りました。
AIがやったのは、①各ファイルの構造を読み取る、②「この3つの表記は同じ人ですね」という名寄せルールの案を出す、③縦1本のデータに統合する、④集計する、の4段階です。人がやったのは、名寄せルールの承認と、出てきた表の確認だけでした。
「まずフォーマットを統一しましょう」と言い出すと、たいてい話はそこで止まります。不揃いのまま集計するほうが現実的です。手順は「バラバラなExcel・日報をAIで一気に集計」に書きました。
事例8:社長の頭の中を記録として残す
打ち合わせで決めたこと、断った理由、次に確認すべきこと。こうした情報は社長の頭の中にしかなく、会社の資産になりません。
弊社では2026年7月から、無料のメモアプリObsidianとAIを組み合わせた運用を始めました。ポイントは私が書かないことです。AIとの仕事の会話の最後に「反映して」と言うだけで、日報・案件メモ・人物メモ・タスクが整理されて記録されていきます。始めて間もない取り組みなので長期の数字はまだありませんが、「あの件どうなってたっけ」を探す時間は明らかに減りました。
詳しくは「社長の頭の中を『会社の資産』に変える|Obsidian×Claudeで第二の脳を作った実録」をご覧ください。
事例9:定型業務そのものをAIに「覚えさせる」
ここまでの8事例には、共通の裏側があります。業務の手順書をAIに覚えさせていることです。
生成AIを使い始めた方からよく聞くのが「便利だけど、毎回同じ説明をするのが面倒」という声です。議事録の型、報告書の書式、勘定科目のルール。頼むたびに長い指示を打ち直していると、だんだん「自分でやったほうが早い」に戻ってしまいます。
そこで、一度だけ手順を書いて覚えさせます。ブログなら13工程、記帳なら判定ルールと出力形式。2回目以降は「先月分をお願い」の一言で済みます。特別な開発は必要なく、やっているのは手順書を文章で書くことだけです。
仕組みと作り方は「Claudeに定型業務を『覚えさせる』方法」で公開しています。
事例10:現場の担当者が自分で作った自動化(顧問先)
10個目は、弊社ではなく顧問先の事例です。宮崎県内の建設コンサルタント業のお客様で、社員の方に全4回・計12時間の研修を行いました。社員の方が研修中に、自分の担当業務向けの仕組みを自分で作ったケースです(社名・使用ソフト名は伏せています)。
- 道路の地図データ作成:約1日 → 約10分
- 大量の計算書25ファイルの集計:手作業で約1日 → 約1時間(ほぼミスなし)
- 定型の契約・納品書類:PDFを手で編集 → 見本の形式に自動で合わせる
- 書類の未送・納期の管理:自動でリマインドする「秘書」役
この事例が示しているのは、AIエージェントは情シス部門がいなくても、業務を一番よく知っている現場の担当者が作れるということです。何をどの順番でやっているか、どこで例外が出るか——それを知っている人が作るほうが、実務で使える形になりやすいと感じています。
研修の進め方はAI研修のご案内ページにまとめています。
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10事例に共通する「AIに任せてうまくいく業務」の3条件

10個並べてみると、AIエージェントによる業務自動化がうまくいっている業務には共通点があります。中小企業で最初の1つを選ぶときの判断基準にもなります。
- 毎回、同じ型で繰り返す業務であること。手順が毎回変わる仕事は、教えるコストのほうが高くつきます
- 材料がデジタルで揃うこと。写真・Excel・会計ソフトのデータなど、AIが読める形になっていることが前提です
- 間違いに人が気づけること。出てきた結果を見て「これはおかしい」と判断できる業務でなければ、任せてはいけません
逆に、次のような業務は今のところ向きません。社内でその業務を分かっている人が誰もいないもの(間違いに気づけないため)、人の感情や関係性が結果を左右するもの、間違えたときの損害が大きく、やり直しがきかないもの。この3つは、時間が浮くこと以上に失うものが大きくなります。宮崎県内でご相談をいただくときも、まずこの線引きから一緒に確認しています。
そして全事例に共通する設計が、最後の実行だけは人が押すことです。ブログは下書きまで、記帳は確認表まで、経営シミュレーションは判断材料まで。ここを外すと、便利さと引き換えに一番大事なものを手放すことになります。権限の線引きの考え方は「中小企業のAIセキュリティ完全ガイド」でも整理しています。
中小企業がAIエージェントを導入するとき、最初の1つを選ぶ手順
事例を読むと「あれもこれも」となりがちですが、順番があります。
- 「毎月やっているのに、1円も売上を生まない作業」を3つ書き出す。記帳、集計、報告書作成あたりが出てくるはずです
- そのうち、材料がデジタルで揃っているものを1つ選ぶ。紙しかない業務は、まずデジタル化が先です
- 1ヶ月、手作業と並走させる。いきなり任せきりにせず、結果を突き合わせて精度を確かめます
費用の目安もお伝えします。弊社の10事例は、中心となるAIの有料プラン(月額100ドル≒約15,000円)に画像生成などの周辺費用を足して、月2万円以内に収まっています。事例ごとに追加契約はしていません。判断のしかたは「AI導入の費用対効果(ROI)の考え方」を、業務の切り出し方は「AI導入の前にやるべき業務整理の3ステップ」をご覧ください。
よくある質問
Q. プログラミングができないと無理ですか?
A. 事例10のお客様は、プログラミング経験のない現場の担当者の方です。必要なのはコードではなく、自分の業務の手順を言葉で説明できることです。むしろ手順を言葉にする過程で、業務のムダが見つかることのほうが多いです。
Q. 社員数10名以下でも意味がありますか?
A. 弊社自身がその規模です。人数が少ない会社ほど、社長や特定の1人に事務作業が集中しているので、効果は出やすいと考えています。
Q. 情報が外部に漏れませんか?
A. 業務で使う場合は、入力内容をAIの学習に使わない設定・契約になっているプランを選ぶのが前提です。加えて、社員が個人アカウントで勝手に使う状態(シャドーAI)を放置しないことのほうが、実務上は大きなリスクになります。詳しくはAIセキュリティのガイドをご覧ください。
Q. 導入までどのくらいかかりますか?
A. 事例4の記帳は、手順を教えて実運用に乗るまで数日程度でした。事例1のブログのように工程が多いものは、精度が安定するまで1〜2ヶ月みています。「まず1つ、小さく」が結局は近道です。
まとめ
- 本記事の10事例は、すべて弊社または顧問先で実際に動いている業務です。数字は測っている範囲の実測値を公開しました
- 効果の例:ブログは1本1〜2日→約10分・検索流入約20倍、記帳は月60〜90分→10〜20分(約8割減)、顧問先では地図データ作成が約1日→約10分
- 業務自動化がうまくいくのは「繰り返す・材料がデジタル・間違いに気づける」の3条件がそろう業務です
- 費用は月2万円以内。大きな投資ではなく、手順書を書いた分だけ仕組みになるというのが実感です
- 全事例に共通する設計は「最後に実行するのは人」。AIは下書きと判断材料までにとどめています
「うちのこの業務は当てはまりますか?」というご相談は、無料相談で承っています。宮崎県内であれば直接お伺いします。業務の内容を伺って、AIに向く部分と向かない部分を切り分けるところからお手伝いします。
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