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社長の頭の中を「会社の資産」に変える|Obsidian×Claudeで第二の脳を作った実録【記録と整理はAI任せ】

AI活用

「社長の頭の中を会社の資産に」のアイキャッチ画像。ノートや付箋が整理されて浮かぶ経営者のイラストとともに、記録と整理はAI任せ・案件や人脈やタスクを一元化・費用は実質ゼロという3つのポイントを示したもの。

案件の経緯、取引先の担当者の情報、ふと思いついた事業のアイデア、やりかけのタスク——。中小企業では、こうした会社の大事な情報の大半が「社長の頭の中」にしかないことがよくあります。弊社(宮崎市のITコンサルティング会社)もそうでした。

問題は、頭の中の情報は探せない・振り返れない・忘れることです。手帳やメモアプリで管理しようと何度も試みましたが、「自分で書いて、自分で整理する」手間が続かない原因でした。

そこで2026年7月から、無料のメモアプリObsidian(オブシディアン)とAIのClaude(クロード)を組み合わせた「第二の脳」の運用を本格的に始めました。ポイントはただ一つ。私は書きません。AIとの仕事の会話の最後に「Obsidianに反映して」と言うだけで、日報・案件メモ・人物メモ・タスクがAIによって整理・記録されていきます。

この記事では、その仕組みと使い方、始めて分かった効果と注意点を実録として紹介します。

きっかけ:情報とタスクが「頭の中とあちこち」に散らばっていた

導入前の弊社の状態です。

  • タスクの管理が続かない(ツールに入力すること自体が手間)
  • 案件の経緯・決定事項が、メールやチャットのあちこちに散在
  • 「あの人と前に何を話したっけ?」を思い出すのに時間がかかる
  • 気づき・アイデアはメモしても、二度と見返さない

いわゆる情報整理術の本に書いてあることは分かるのです。ただ、整理する時間そのものが取れない。多くの経営者がここで挫折するのではないでしょうか。私も「自分で記入して管理すること」自体が手間で、続きませんでした。

「第二の脳」とは:会社の記憶を外に置く場所

第二の脳の概念図解。頭の中だけでは探せない・振り返れない・忘れるという課題を、Obsidianを中心に日報・案件カード・人物メモ・経営仮説・タスク一覧が網目状につながる第二の脳へ外部化することで、情報を資産に変える仕組みを示すインフォグラフィック。

第二の脳とは、頭の中の情報を外部のノートに蓄積し、つながりごと検索・再利用できるようにする考え方です。弊社はその置き場所にObsidianを選びました。理由は3つあります。

  • 無料で使える:基本機能に費用がかからない
  • データが自分のパソコンの中に残る:ノートはただのテキストファイルとして手元に保存される。サービス終了でメモが消える心配や、社外サーバーに預ける不安が小さい
  • ノート同士をリンクでつなげられる:「案件」から「関係する人物」「関連する過去の判断」へ、クモの巣のようにたどれる

ただし、正直に言えばObsidianはそのままでは経営者向きではありません。自分で書いて、自分でリンクを張って、自分で整理する道具だからです。ここにAIを組み合わせたことで、初めて実用になりました。

決め手は「自分で書く」をやめたこと

使い方:仕事の最後に「Obsidianに反映して」と言うだけ

弊社では日々の業務(資料作成、分析、相談ごと)をClaudeとの対話で進めています。その流れのまま、仕事の区切りに一言添えます。

「今日の内容をObsidianに反映して」

すると、AIがその日の会話から重要な情報を選び出し、Obsidianの適切な場所に書き込みます。私がやるのは、この一言だけです。

何がどこに記録されるのか

AIによるメモ自動整理のフロー図解。人が「Obsidianに反映して」と一言伝えるだけで、AIが会話の内容を仕分け・整理し、日報・案件カード・人物メモ・経営仮説・タスク一覧の5つの記録先へ自動で書き込む「人は話すだけ・記録と整理はAI」の分担を示す。

AIは会話の内容を仕分けして、次のように記録します。

記録先内容の例
日報その日やったこと・決めたこと・気づき
案件カード案件ごとの経緯・決定事項・次のアクション
人物メモ会った人の所属・関係・話した内容の履歴
経営仮説事業の方針に関わる気づき(裏付ける事実・反する事実も)
タスク一覧発生したTODOを期限別に振り分け

単なる「会話の保存」ではない点が重要です。新しい人物が出てくれば人物ページが作られ、既存の案件に関わる話なら案件カードに追記され、関連するノート同士にリンクが張られる。「記録」と同時に「整理」まで終わっているのが、自分でメモを取るのとの決定的な違いです。

始めて分かった3つの変化

Obsidian×Claude運用で分かった3つの変化の図解。①振り返りが一瞬に(案件の経緯を数秒で確認)②判断材料が蓄積(気づきが経営仮説として貯まる)③タスク管理が自動に(登録不要でチャットに通知)の3枚のカードで効果を示すインフォグラフィック。

1. 振り返りが「一瞬」になった

「あの案件、どういう経緯でこうなったんだっけ?」に、案件カードを開けば数秒で答えられます。記憶を掘り起こす時間と、「思い出せないままにするリスク」が減りました。

2. 経営の判断材料が蓄積されていく

日々の気づきが「経営仮説」として貯まり、それを支持する事実・反する事実が追記されていきます。感覚でなく、記録の積み重ねの上で戦略を考えられるようになったのは想定以上の効果でした。

3. タスク管理が同時に終わり、通知まで来る

会話の中で発生した「あれやらなきゃ」が自動でタスク一覧に載り、さらに弊社ではチャットツール(Slack)と連携してリマインド通知も届くようにしました。「タスクを登録する」という作業自体が消えたことで、ようやくタスク管理が続くようになりました。

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正直な注意点

  • 運用はまだ始めたばかり:この記事の内容は2026年7月時点、本格運用を始めて間もない段階の実感です。長期運用での評価は改めて発信します
  • AIの記録は万能ではない:会話に出ていないことは記録できませんし、事実と推測の区別も完全ではありません。弊社では「不確かな情報は『要確認』と明記する」ルールをAI側に持たせています
  • 機密情報の扱いは設計が必要:ノートは自分のパソコン内に残る一方、AIとの会話には顧客の機密を不用意に載せないルールが前提です(考え方は「中小企業のAIセキュリティ完全ガイド」参照)
  • ツールにこだわる必要はない:本質は「AIに整理を任せて、人は話すだけ」という役割分担です。クラウド型が良ければ、Claudeの標準機能で社内ナレッジを蓄積する方法もあります(「Claude Projects完全活用ガイド」で解説)

自社で小さく始めるなら:3ステップ

  1. 「今日の仕事メモ」をAIに作らせることから:1日の終わりに、AIに今日やったこと・決めたこと・明日やることを箇条書きにさせて保存する。まず「自分で書かない」感覚をつかむ
  2. 記録の置き場所を決める:Obsidianでも、Wordでも、社内の共有フォルダでも構いません。「1か所に貯まっていく」ことが大事です
  3. 型を決めて任せる:「案件・人・タスク・気づき」など、仕分けのルールを決めてAIに伝える。ルールが決まれば、あとは毎回同じ一言で回ります

会議の記録から始めたい方は「会議議事録をClaudeで高速作成する完全ガイド」、AI活用を社内に定着させる全体像は「中小企業のAI導入 90日定着ロードマップ」もあわせてどうぞ。

よくある質問

Q. Obsidianは難しくないですか?

A. 全機能を使いこなす必要はありません。弊社の使い方は実質「AIが書いたノートを人が読む」だけなので、閲覧できれば十分です。設定の作り込みはAIに相談しながら進められます。

Q. 費用はいくらかかりますか?

A. Obsidian自体は無料です(商用利用も基本無料。有料のオプションもあります)。AI側は弊社が業務全般で使っているClaudeの有料プランの範囲内で、この仕組みのための追加費用はありません。

Q. 社員数が多くても使えますか?

A. この記事の方法は、まず「経営者個人の第二の脳」に向いています。チームでの共有・活用が目的なら、クラウド型のナレッジ共有(Claude Projectsなど)から検討するのがおすすめです。

Q. 何のAIでもできますか?

A. 「会話からの要約メモ作り」だけならChatGPTなど他のAIでも可能です。パソコン内のノートへの自動書き込み・整理までさせる場合は、ファイル操作ができるAI(弊社はClaude)が必要になります。

まとめ:社長の記憶に頼らない会社へ

  • 会社の重要情報が「社長の頭の中」だけにある状態は、探せない・振り返れない・引き継げないリスク
  • Obsidian×Claudeの「第二の脳」は、人は話すだけ、記録と整理はAIという分担で「続かない問題」を解決する
  • 日報・案件・人物・経営仮説・タスクが自動で蓄積され、タスクはSlack通知まで自動化できる
  • 機密の扱いと「AI記録の限界」を理解した上で、まずは「今日の仕事メモをAIに作らせる」ことから

弊社では、経営者の情報整理からタスク管理・社内ナレッジづくりまで、AIを「仕組み」として定着させる支援を行っています。「うちの場合はどこから始めればいい?」という段階のご相談も歓迎です。

※本記事は2026年7月時点の自社運用の実録です。ツールの仕様・料金は変更される場合があります。

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